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誤ったAIの使い方

誤ったAIの使い方

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クライアント社の社長が紹介してくれたのは、ITトップがAIを使って自社のIT課題を特定した、という資料。
元データは、IT社員に問題点をアンケート形式で洗い出した約100件の問題点である。

ここで注意したいのは、その企業のIT部門はビジネス部門とコミニュケーション不全に陥っていることだ。しかもその問題は部門間だけでなくIT部門内でも起きており、実は全社で抱えている問題であることは共通認識されている。

従ってIT担当者は孤独にそれぞれ仕事を抱え、しかもその人員の多くが「旧来ITの延命」を目的にキャリア採用された人財である。
コミニュケーション不全は、即ちマネジメント不全である。従って、ITの方針も指導も評価もそのレベルは低いことが想像される。

その様な状況で個々人が書き出した問題をデータにしてAIに放り込んで真っ当な課題がアウトプットされるハズがない。
AIが悪いのではない。むしろIT現場の事実としてアンケートの集約は上手くやってくれる。しかしそれは、IT現場のマネジメントである「モニタリング」の範疇であり、根本原因を求める課題設定ではないのである。

パワーポイントに理路整然と整理されたそのアウトプットは、マネジメント不全を起こしている組織の眼には綺麗に映る。

AIに読ませるデータの本質的意味を把握しなければ、そしてAIを活用して本質を人間が考えねば、AIは単なるガベージイン・ガベージアウトの魔法の玉手箱となり、人が思考停止するだけとなる。

更に怖いのは、このエピソードはIT部門のトップによって起きているということ。IT人財でも盲目になるということだ。

AIをキーワードに思考停止してはイカンのである。
正にそれを目の当たりにした出来事だった。

最後に、そのITトップが悪いだけでもないことも追加しておく。つべこべ言わず「まず使ってみる」ことからしかAI活用は始まらないからである。