今月はオフィスの引越でした。
小さなマンションなので1日で作業は終えたのですが、引越業者とインターネット業者の2者でプロを垣間見たのでご紹介。
まずは引越業者。
手配する際に使った複数業者の一括見積もりでは最大最小価格間でなんと4倍の差に。なるほど混沌とした業界です。
契約したのはほぼ最安値の業者。
プロを感じたのは、最後の運び込みが終わってサインした後の一言。
どうやら手配したトラックでは不足していたようで、本来ならば一回り大きいサイズが必要だったようです。そこにはなにも触れずに「次に引越されるときはワンクラス大きいトラックで考えてください」と。
作業中に言ってもトラックを代えることは出来ませんので、その時は言及せずに終わってから次回への提案をしてくれたのです。
次回への宣伝は競合を含め多くの業者にチャンスがありますが、最も強い機会を得ているのは今契約している会社です。
これは多くのビジネスでサービス戦略が如何に重要かを物語っている事例です。
もう一つがインターネット業者。
事前契約の際に「ルーター設置後に最長でも3日で使えるようになります」とのことだったので4日目に重要なリモート会議を予定していました。
最長で3日なので設置後2日目には繋がるだろうと期待しますが、繋がらない。そこでサポートセンターへ電話するとそれなりに説明してくれてルーターとモデムの操作を指示されます。でも繋がらない。このときに対応してくれたサービス担当者は「これ以上は何もできません」の一点張り。翌日の3日目に期待するしかありませんが、やはり繋がらない。
翌日は4日目で重要な会議を1日中予定しており冷や汗が吹き出てきます。再度サポートセンターへ問合せると今度は若い女性が出てきて昨日と同じ指示をされますがやはり繋がらない。
契約時に受けていた最長3日で繋がる話や4日目に重要な会議があることを説明すると、そのサービス担当者は考えてくれました。最初の担当者は「何も出来ません」と冷たく切り捨てたのはある程度仕方ないことではありますが、「最長3日で」と謳っている責任感で二人目の担当者はその会社を超えてNTT自体の設定をも確認してくれたのです。
結果は「最長3日」を謳っていたにもかかわらずNTTでの設定が遅れていたことが3日目の夜に判明しました。原因さえわかれば私の方での対応も納得して代替策を考えられるのでとても助かりました。
この事例では、自社だけでなく企業をまたがったサプライチェーンでの対応をしてくれたことにあります。所謂、Connected Industryです。
顧客の事情と自社のブランドプロミスを勘案して行動してくれたサービス担当者の行動こそが「技術」なのだと私は思います。
翌日カスタマーサポートのメールアドレスに感謝の気持ちを送信しました。
返事も反応もないところがなんとも言えないところですが、私としては素晴らしい顧客体験をさせていただきました。